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中小企業訪問 紙書類が沢山ありペーパーレスのアドバイス希望

2019年12月3日にとある中小企業に訪問してきました。
訪問の切っ掛けは、都内の製造業の社長からの直接の依頼でした。
「紙の国税関係書類が沢山あるので、現場を見てアドバイスして欲しい!」
というもので、本社と倉庫を訪問してきました。
今回はそのレポートをさせていただきます。
 
1)ヒアリング
 
・中小企業の製造業
・部品を仕入れて、大手企業などへ販売している
・大手からはEDIで注文データが届き、Webでログインして、指定納品書などのPDFをダウンロードして、印刷して納品時に現品添付して納品している
・仕入れ関係や売上関係の帳簿
・納品書などの発行控え
・仕入れの請求書や納品書
などなどたくさんある
 
・見積書は楽々ライブラリー(スキャナメーカーのソフト)にPDF化して保存している
・販売管理システムは弥生販売
・会計システムは地元会計事務所のT会計事務所に依頼していて、TKCの会計システムを利用中
 
・最近「3S活動」に取り組み中で、その一環で、国税関係帳簿書類の整理・整頓をしてみて、問題意識が高まってきている
・旧本社(300m)に書類保管用の段ボールが数十箱あり、ラックが4つあるので、出来れば処分したいと考えていた
 
 
2)電子帳簿保存法の概要説明を実施
ヒアリングした対象の帳簿書類は、法人税法などで、納税地に紙の状態で7年間保存が義務付けられていて、それを電子化保存して、紙原本を廃棄するためには、特例法である電子帳簿保存法の制度を利用して、所轄税務署宛てに申請して承認を得られれば可能なのでその概要を説明しました。
 
4条1項 帳簿のデータ保存(帳簿は、備え付け開始日からしか運用できない)
4条2項 書類のデータ保存(主に 控えの納品書)
4条3項 スキャナ保存(主に受領した 請求書+納品書)

反応としては、体系立てて説明できたので、制度の要点とそれぞれの要件確保の難易度について把握していただくことができました。

3)電子帳簿保存法の各要件と申請書の概要説明

【電子帳簿保存法 比較表】 なお、10条の「電子取引」の説明は割愛しています。
条文 対象 利用ソフト 開 始 時 期           説      明
4条1項 帳簿 会計ソフト・サービス 期首からのみ 赤黒処理・訂正削除の履歴を保存・検索情報
4条2項 控え書類 業務ソフト・サービス 期中から可能 取引年月日で検索出来ればよい
4条3項 紙受領書類 スキャナ保存専用ソフト
・サービス
期中から可能 有料タイムスタンプ付与など複数の特別要件あり
例)「適正事務処理要件」「帳簿書類相互関連性」
「一の入力単位」「ヴァージョン管理」「読取り情報
の保存確認」「入力期間の制限」など

申請書
[手続名]国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/10.htm

[手続名]国税関係書類の電磁的記録等による保存の承認申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/11.htm

[手続名]国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/3030_01.htm
 
4)ヒアリングした上でのアドバイス
①T会計事務所に相談する(顧問税理士契約をしているから相談すべし)
②相談方法:帳簿のデータ保尊と書類のデータ保存をやりたい!ので提案して欲しいと意思を伝える
 (会計事務所が知識不足の場合は、改めて相談していただくことにした)
③スキャナ保存は要件が他に比べて多く、タイムスタンプ付与等特別な電子文書管理システムが必要なので後回しにする(先行して、帳簿と控え書類のデータ保存の申請を検討する)
 
5)お客様のご反応

製造業なので、仕入先から部品を仕入れて、加工してお客様向けに販売している。
なので、仕入の請求書やそれに紐づく納品書や注文書控えや見積書が多数ある。
これらが紙書類である、スキャナ保存にチャレンジしてみたい。

6)今回の訪問で感じたこと

・ 電子帳簿保存法 そのものが 中小企業に周知できていない
・ 最近 国税庁が本法に係る啓もう用のビデオを公開したが わかりずらい
・ 税理士事務所が 本制度の案内を積極的にしていない

・ 電子帳簿保存法の全体を正しく理解して活用すれば国税帳簿書類の電子保存
  が進むので、専門家としてもっとお客様目線で、分かりやすく制度説明とペーパ
  ーレス実現のお手伝いをして行きたいと、決意を新たにしました。
 
 
 
 

 
2019年12月04日 08:08

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