実は地味に緩和されていたスキャナ保存の見逃しやすい2点
それは、「受領者読取りでのスキャンミス時の取り扱い」と「相互牽制実現する運用上の3パターン」の2点です。
これ等の2点は、コンサルを進めてゆく中で、初期段階で説明し、運用設計時に説明し、テスト稼働時に説明を加えるとても運用上大切なものになっております。
では、詳しく見てゆきましょう!
ご承知のように
電帳法スキャナ保存制度の平成27年度以降、要件緩和が続いています。
【国税庁の公式資料から抜粋する】引用元は https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm です。
(赤文字は筆者の追加コメント)
国税関係書類のうち、財務省令で除かれるものとしては、決算関係書類や契約書、領収書が定められています(電子帳簿保存法規則3)。(平成27年度の改正までは3万円以上の契約書、領収書は対象外だった)
国税関係書類に記載されている事項を電磁的記録に記録する財務省令で定める装置として、スキャナ(原稿台と一体となったものに限ります。)が定められています(電子帳簿保存法規則3)。したがって、デジタルカメラやハンドスキャナは、その装置の対象とはなりません。(平成28年度の改正まではデジカメやスマホは使えなかった)
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次に
「一問一答」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/denshihozon_sukyana.pdf
の問1を見てみましょう。
1 平成17年度の創設
記載省略
2 平成27年度の一部改正
記載省略
3 平成28年度の一部改正
スキャナの「原稿台と一体型」の要件撤廃・受領者等読み取り・特に速やか3日タイムスタンプ
4 令和頑年度の一部改正
「速やか」も「特に速やか」も「おおむね」と「営業日」に改正
過去分重要書類・適用届書の新設
などが、説明されています。
これでは、折角緩和されている、重要なものが(説明上)欠落されていると言わざるを得ません。
筆者が考える、それは下記です。
(1)問ー35 にある 受領者読取りでのスキャンミス時の取り扱いの解説です。
上記が公表されるまでは、仮に特に速やか3日以内でスキャンできていたとしても、スキャンした画像に指が映り込むなどしてミスがあった場合の行政側の解釈が分かれていたので、困っていた企業が多かったのですが、当該問で明確化されたので、とっても助かりました。
(2)問ー47 にある 相互牽制実現する運用上の3パターンの解説です。
上記が公表されるまでは、厳格すぎる解釈に立てば
Aさんが受領した場合
Aさんが受領者等による「特に速やか読取り」をするか
Aさんが、Bさんに証憑を渡してBさんが「入力」を行うかの2パターンしか認められていなかった
のですが、当該問で明確化されたので、とっても助かりました。
如何ですか?
改めて、見直していただければ幸いです。
筆者紹介 益田康夫 関西大学商学部卒業 本籍地神奈川県 メアド masuda@e-sol.tokyo
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。
Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。
特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。
- 行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。
筆者が経営する株式会社e-SOLは2019年1月8日の設立されました。