視点・論点「R3税制大綱の電帳法大改正を切る!」概要編
私は、5回読み直して、やっと、自信をもった解釈ができるようになりましたので、書くことにしました。
以下参考になれば幸いです。
なお、今回の概要編に加えて内容編と展望編の3篇を可能であればご確認ください。
概要編
下記は、令和3年度の税制改正大綱からの抜粋です。
令和3年 税制改正大綱 2.デジタル社会の実現 (2)納税環境のデジタル化 ② 電子帳簿保存制度の見直し等 |
経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、国税関係帳簿書類を電子的に保存する際の手続きを抜本的に見直す。 具体的には、 事前承認制度を廃止するほか、 現行の厳格な要件を充足する事後検証可能性の高い電子帳簿については、信頼性確保の観点から優良な電子帳簿ととしてその普及を促進するための措置を講ずる とともに、その他の電子的な帳簿についても、正規の簿記の原則に従うなどの一定の要件を満たす場合には電子帳簿として電子データのまま保存することを当面可能とする。 また、紙の領収書等の原本に代えてスキャナ画像を保存することができる制度(スキャナ保存制度)については、ペーパーレス化を一層促進する観点から、手続・要件を大幅に緩和するとともに、電子データの改ざん等の不正行為を抑制するための担保措置を講ずる。 |
皆さん、ピンときましたか!?
解説
1 電帳法は抜本的に見直されます。
→法律そのものの見直し
2 現在の承認制度は廃止
→申請書の提出と見なし承認が廃止
3 優良な電子帳簿とその他の電子的な帳簿に区分けされる
→優良なものは普及を促進する。その他のものは当面しか認められない
4 スキャナ保存制度は手続き・要件を大幅に緩和して、改竄等対策で担保措置を講ずる
(→不正行為をした際は、重加算税の積み増しなどがある)
以上 読み取れましたでしょうか?
やっと、本気の改革です。
「経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、国税関係帳簿書類を電子的に保存する際の手続きを抜本的に見直す。」
筆者は、これを待っていました。
大歓迎です。
しかし、「その他の会計システムベンダー」は恐怖かもしれませんね・・・
また、「スキャナ保存」で現行必須要件の「タイムスタンプ」の取扱は、内容編をご覧ください。
筆者紹介 益田康夫 関西大学商学部卒業 本籍地神奈川県 メアド masuda@e-sol.tokyo
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。
Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。
特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。
行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。
筆者が経営する株式会社e-SOLは2019年1月8日の設立されました。
2020年12月17日 11:27