インボイス制度の死角に潜む問題とその対処に関する指針とは
■インボイス制度の死角は、・ほとんどの中小企業が納税に関する税務処理を税務代行人である税理士任せであること
・顧問税理士が計算して作成した納付書に基づいて納付のみしている
・だから消費税の「仕入れ税額控除」処理が具体的にどうなっているのか把握できていない
・さらに現在の「仕入れ税額控除」が「区分記載請求書等保存方式」であることすら意識できてない
・そして「インボイス制度」=「適格請求書等保存方式」についても、まったくもってピンと来ていない
・「電子インボイス」が普及しだすので「電子帳簿保存法」との交差点領域が拡大している
■インボイス制度の死角に潜む問題=新たに義務化なる要件が複数あり=義務違反で「仕入れ税額」否認のリスクが出てきたこと!
・「適格請求書等保存方式」は、「区分記載請求書等保存方式」に加えて請求書等の適格性を保持するために次の情報の追加が義務化された
・「登録番号」
・「適用税率」
・「税率ごとに区分した消費税額等」
・「登録番号」:適格請求書を交付することができるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」に限られます。
・登録を受けていない事業者が、適格請求書と誤認されるおそれのある書類を交付することは、法律によって禁止されており、違反した場合の罰則も設けられています。
・売手は、「適格請求書等」の保存が新たに義務化された
・交付した適格請求書の写しについては、交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要があります。
・適格請求書の交付に代えて、電磁的記録(適格請求書の記載事項を記録した電子データ)を提供することも可能です。←「電子インボイス」
・電子帳簿保存法7条「電子取引」要件確保義務★
・紙の「適格請求書等」の控え保存に代えて電子データで保存することも可能です。
・電子帳簿保存法4条2項「書類」要件確保特例★
・紙の「適格請求書等」の控え保存に代えて、「スキャナ保存」することも可能です。
・電子帳簿保存法4条3項「スキャナ保存」要件確保特例★
・買手は、
・受領した適格請求書については、受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要があります。
▼現行認められていることが、禁止になる点の注意点)
現行においては、「3万円未満の課税仕入れ」及び「請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるとき」は、
一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる旨が規定されていますが、適格請求書等保存方式の開始後は、
これらの規定は廃止されます。
○ 現行では、仕入先から交付された請求書等に「軽減税率の対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」
の記載がないときは、これらの項目に限って、交付を受けた事業者自らが、その取引の事実に基づき追記することができますが、
適格請求書等保存方式の開始後は、このような追記をすることはできません。
・一定の事項を記載した帳簿及び適格請求書などの請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。
・課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要があります。
・免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用を受けることはできません。
・ただし、一定の期間は、一定の要件の下、仕入税額相当額の一定割合を、仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
・適格請求書を、電磁的記録(適格請求書の記載事項を記録した電子データ)で提供受けることも可能です。←「電子インボイス」
・電子帳簿保存法7条「電子取引」要件確保義務★
・紙の「仕入明細書等」の控え保存に代えて電子データで保存することも可能です。
・電子帳簿保存法4条2項「書類」要件確保特例★
・紙の「適格請求書等」の保存に代えて、「スキャナ保存」することも可能です。
・電子帳簿保存法4条3項「スキャナ保存」要件確保特例★
■インボイス制度の死角に潜む問題とその対処に関する指針とは
1)仕入れ税額控除の新制度である「インボイス制度」の納税に係る処理は、顧問税理士にシッカリ任せる
・税額計算の方法
・各種注意事項などの指導
2)自社で行うべきこと
・▼現行認められていることが、禁止になる点の注意点)の周知徹底
・「適格請求書発行事業者の登録申請手続」
・「インボイス制度」で求められる正しい「端数処理」の確認と徹底
・発行する「適格請求書等」の記載事項追加等変更
・受領する「適格請求書等」の適格性の確認等業務処理の周知徹底
・仕入れ先で免税事業者である場合の当面の対応方針や処理の方法の検討
3)★「インボイス制度」と「電子帳簿保存法」の交差点を点検して税務コンプライアンス順守!
・電子帳簿保存法
帳 簿4条1項 「帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合」の処理
書 類4条2項 紙書類発行時の控えデータ保存
スキャナ4条3項 紙書類のスキャナ保存
電子取引7条 「電子インボイス」の「電子取引」保存
★上記「電子帳法保存法」対応を顧問税理士と協力して自社での対応に不安がある場合は、是非、「電子帳簿保存法」を得意とする
専門家の支援を受けてください。
以上、ご参考になれば幸いです。
会社案内|株式会社e-SOL|シニア起業支援・ITコンサル|東京都板橋区
筆者紹介 益田康夫 関西大学商学部卒業 本籍地神奈川県 メアド masuda@e-sol.tokyo
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。
Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。
特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。
行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。
筆者が経営する株式会社e-SOLは2019年1月8日の設立されました。
2022年07月16日 07:16